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やや、初めてのこのカテゴリーでの記事ですね。「Men'sファッション指南」なんて、 「てめえのファッションセンスがおかしいんだよ!!!」 と言われてしまえばそれで終わりなのですが、ファッション業界というのは特殊な世界で、これは服飾評論家自身が言っていたのだが、 「ファッション・ジャーナリストというのは、事実上存在し得ない。なぜならジャーナリスト自体が宣伝の役割を果たすからだ。」 と言うことでして、雑誌を手本にするにしろ、有名人を手本にするにしろ、「うるさ型」の評論家を手本にするにしろ、手本にした時点で既に流行の片棒をかついでいる、という厄介な世界なのですね。 ま、もちろん「おしゃれ」と「ファッション」の違いはあります。「おしゃれ」というのは、どちらかというと不易の方に属していて、そもそも「おしゃれ心」が無いと出来ないもので、ある種の色気(欲望といい代えることも可)が無いと創めからやろうとは思わないものです。それに対して、「ファッション」というのは、まさに「流行」であり「流行り廃り」「トレンド」「傾向」といったものが確実に存在し、その流れに乗らないと「ダサい」という「レッテル」を貼られてしまうもので、何か「集団的無意識の発露」とか「シンクロニシティ」とでも言うべきものがそもそもの発端となってスタイルが出来上がっていく、という部分もあれば、明らかに情報を発信する側やメーカーやデザイナー主導で出来上がっていく「ブーム」もあります。 さてさて、みなさんもそろそろおなじみになってきた「GAP」。十年くらい前は、日本には入ってきていなかったので、「輸入ブランド」として今よりもさらに高い値段で売られていて、そもそものアメリカにおける「GAP」のブランド・イメージやブランド・ステータスとは程遠い所の値段がついていたので、日本に直営店が進出してきた時、表参道の交差点に「ど〜ん」と店舗を構えてその「威圧感」を醸し出して、日本人独特の「アメリカン・スペリオリティ・コンプレックス」を利用して、本国よりはるかに高い値段で売り出して、すっかりその値段が標準化してしまったのですな。 実は、そういうことが可能だったのは、日本には既にユニクロが有ったからなのですね。ユニクロは、そもそもは冴えないカジュアル洋服店チェーンでしかなく、それが日本中に広まっていったのは、「GAP」のビジネスモデルをそのまんまパクって日本で展開したからなのですね。つまり、ベーシックなデザインの服を大量生産して単価を下げて、「不易」とも言える基本アイテムにおいて高いシェアを獲得して、ビジネスを有利に進める、というビジネスモデルです。 日本で、最初に「GAP」が取り上げられたのは、おしゃれより機能性重視のニューヨーカーがベーシックなデザインで低価格の「GAP」の服を多く買うようになって、流行ブランドとして注目され始めた時でした。それが今から十年ほど前のこと。当時、ジーパンが$40だったのですから、もともと安い物を売るブランドであることがお分かりいただけるでしょう。ドルと円の価値が変わろうとも、国内で自分たちの通貨を使っている分にはその感覚は変わらないように経済というのはグローバル化しているので、金銭感覚としては$1=¥100という感覚は共通です。だから、スーパーで¥3,980のジーパンを売っているのと変わらないのですが、成功の秘訣は「ベーシックなデザインで大量生産して単価を下げる」事であり、品質が下がっていないことです。だから、非常に「お得感」があったのですね。こうしたことをTシャツから普通のシャツ、チノパンからトレーナーやセーターにいたるまでやったのですね。とくに、ジーパンと違ってTシャツなどのアイテムはいくらベーシックなデザインといっても、白一色にするわけにはいかないのですが、ここには日本でも昔からおなじみの「ベネトン」のビジネスモデルを拝借。染色していない繊維で大量に特定のデザインを生産しておいて、後から個々の色に染色することによって、「土台」であるベーシックなデザインの服にかかる生産コストを最大限低下させる方式で、それぞれのアイテムを安い値段で顧客に提供して、そのブランドの浸透と同時に商品の市場におけるシェアを伸ばしていったのです。 これが、日本においては「GAP」が日本に進出してくる前にユニクロがやってしまったので状況がおかしくなりました。当時日本人がアメリカに行って帰ってくると必ず「GAP」の服を何着か買ってきて、お手軽なお土産にしていたので、日本ではユニクロよりGAPの方が高級というイメージが出来上がりつつあった所をGAPサイドもしっかり読み取っていて、日本に進出する段において価格を高めに設定したのですね。けれど先程言いましたように、金銭感覚的には「お得感」があるブランドであること、それこそが最大の「ウリ」だったのでアメリカにおいて「GAP」というブランドのイメージと、日本におけるユニクロのブランド・イメージとは同じなので、間違っても日本の人はGAPの服を着て気取って海外旅行に行ったりしてはいけないわけです。 さて、なぜ「GAPとユニクロに気をつけろ!」なのかというと、両ブランドとも「お得感」が「ウリ」なわけですが、その「お得感」の正体は「ベーシックなデザインで飽きが来ない上に、値段が安くて品質が【そこそこ】良い」というものなので、「おしゃれ心」をそそらないというより損なうように出来ているのですね。だから子供のころからユニクロに慣れ親しんでいると、「おしゃれ心」の育ちようも無く「センスのいい着こなし」も出来ず、いつまでたっても「イケてない」格好しか出来なくなってしまうのです。そもそも「ファッションセンス」を養うべき思春期に周りに刺激的なファッション感覚の人物でもいないと、これは「ダダ滑り」的に「おしゃれ」でも「ファッショナブル」でもなくなっていってしまうのです。また、「おしゃれ心」をもともと先天的に持っている人の場合、最初にユニクロやGAPから入ってしまうと、ついつい値段に気を抜いてしまってどんどんアイテムを買っていってしまい、もともと品質は【そこそこ】いい上に大体の服に合うようなデザインなので、気がついたらタンス一棹丸ごとこれらのブランドの服で埋め尽くされてしまって、「これ以上何も買えなくなってしまうから、中古屋に売り飛ばすしかなくなってしまうのね〜(困惑)」という状態になってしまって、結局中古衣料のお店にこれらのブランドの服が山盛りになってしまって、今や「量り売り」がされている始末。 これでは本末転倒なのです。「お得感」が気に入って買ったブランドのものを「激安」の値段で手放してしまっては何の意味も無いのですね。だから、これらのブランドは「大量生産→大量購入→大量廃棄」となって、地球環境に良くないことおびただしい。だから「気をつけて買わなければならないブランド」として、まず「GAP」と「ユニクロ」があるわけです。 この写真は、中越地震が起こる前の魚沼地方の写真。今ごろ大変なことになっています。
by journalism-1
| 2006-01-10 22:38
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