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「親が子供に見せたくない番組」のアンケート結果が出た。 毎年行われている調査だが、あまり変わらない結果しか出ない。要は、「俗悪番組」とされているものが、視聴率がよく、子供に受けるからである。「親が見せたくない」といっても、子供たちの間では、こうした番組を見ていないと話題に取り残されて、友人関係に響きかねない。親のエゴであって、子供たちにとって、これらの「俗悪番組」を見る事は、勉強と同じように、死活問題なのだ。 もちろん、これらの番組の良いところなどない。下劣な内容しかなく、子供にいい影響を与えるとは言い難い。特に、人間関係の醜悪さを打ち出している番組は、むしろ子供にとって、現実を見ているだけであり、面白いと思って見ているとは思えない。むしろ、子供はそこに、「リアルな大人」を感じるのではないか。子供たちは、これらの番組を見る事で、「現実の将来への心の準備」をしていると考えるべきだろう。 むしろ問題なのは、「親が子供に見せたい番組」のアンケート結果の方だ。 親のエゴが丸出しである。今どきの子供は、とにかく「手に職をつける」ことをしないと、単なる「学歴エリート」では社会で生き残っていけない事を知っている。「サラリーマンで、平凡な人生」など、考えられなくなっているのが、現状なのだ。 そんなときに、「プロジェクトX」を見せられても、「働きすぎのサラリーマン」とか、「時代遅れの話」というような感想しか抱けないと思う。リストラの時代に、「仕事一筋に打ち込める環境」を持っている企業など、東京都内から肉眼で見える星の数ほどに少ない。 さらに、もっとも問題なのが、「その時歴史が動いた」である。親のエゴとしては、テレビでも良いから、歴史に興味を持って欲しい、というところなのだろうが、内容に問題がある事に気が付かないのだろうか? NHKらしく、「日本讃歌」の色が非常に強い。歴史考証に非常に問題があり、解釈も一方的で、出てくるコメンテイターの人物を見ても、歴史をしっかり勉強しているとは言い難い。キャスターが、「タクシー運転手を殴った、お殿様」の松平というのもいかにもである。 歴史が好きで、歴史の知識においてはかなりの自信がある私にとっては、「そんなことを断定して、今後新たな事実が出て来た場合、どうするつもりか?」と詰問したくなる。また、事実ではなく、伝承に近いものまで、「実際にあった事」のようにオンエアしているところも、憤激に堪えない。 ある意味、現在の日本の歴史認証の甘さが、直に反映されている番組といえる。非常にナショナリズム的で、全体の解釈そのものは、扶桑社の歴史教科書とそれほど変わらない、といっても良い。歴史の暗部から目をそらし、古い、封建的で、閉鎖的な時代の解釈(ここに国際感覚は、全く存在しない)をなぞっているだけで、「愛国的歴史番組」としか言えない。 私が偶然見てしまった(実際は、もっとクビライ・カーンについて迫ってくれると期待していた)、「元寇」をテーマにした回では、元寇において、辛くも征服から逃れた事に対して、堺屋太一(この人に歴史を語る資格はない)のコメントが、笑わせる。 「このことによって、初めて日本人が『世界』というものを意識して、一つの「誇り」(それが『神風特攻隊』の悲劇の実態ではないか)を手にしたと思いますね。」 堺屋太一に対する、「殺意」が私に芽生えた。
by journalism-1
| 2005-05-21 13:51
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