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私の周りには、いろいろな人がいますが、中でも端倪すべからざる人に、「薬局のおばさん」がいます。 身近な所に、結構とんでもない人がいるものです。 「野に遺賢無し」 というのが為政者の理想ですが、今時の日本では、 「野に遺賢、山ほど在り」 というのが実情だったりします。我が師が、 「悪貨が良貨を駆逐する」 と現在の世の中を述べた通り、市井の人々の方がテレビ局の局員よりかは遥に世の中の事に通じていて、どこかの総理が「格差がある事はいい事だ」とおっしゃるならば、確かに、知的な部分や文化的な部分、精神的な部分や幸せを感じる能力において、私も、 「格差がある事はいい事だ!」 と声を大にして言いたいと思います。何せ、私の周りには、経済的には貧しくとも、心の貧しい人と言うのはごくわずかで、豊かな文化的レヴェルを保ち、有機的な心のつながりを持つ事の出来る、またそれに値する人々がたくさんいます。 今回は、その中の一人、ある「薬局のおばさん」です。 そもそも私とこの人の係わり合いは、もう私が高校生の頃にさかのぼります。当時私は大変なニキビ面で、とんでもない「顔面崩壊」をしていたのですな。いろいろな薬局や皮膚科に行ったけれども、普通のニキビと違って、なかなか普通の方法では治らなくて、困っていたのです。ある時、親父が会社帰りに、ふと薬局に立ちよって相談したのが、このおばさんとの最初の出会い。 これがまあ、救世主との出会いなんでしょうか?このおばさん、目立たない所の薬局にいながら、結構な人なのでした。もともと、薬剤師として病院に勤務していたそうです。病院に勤務していると、薬剤師といえども看護士並みの事は出来て当たり前になるらしく、また病院内の事にもいろいろ詳しくなり、もともとこの人は明敏な頭脳の持ち主で、某著名な作家と高校の時に同級生だったらしく、その作家の事を「当時から、変な事ばっかり考えてたわよ〜」なんて言っておりました。そういう人ですから、病院勤務の間に、薬剤師ですからあらゆる科目の病気の薬の事を知るうちに、どこの先生がうまいか、どこの先生がお金儲けで医者をやっているか、この人ならではの話術でどんどん情報を蓄えていったのですね。そうするうちに、勤務医と職場結婚して、今の薬局をやるようになったとか。 でも、この薬局においてもこの人の話術は冴え渡り、この辺りでは「困った時には、○○薬局のおばさんに」というような人になっているのでした。 まずは、私のニキビの診断をしてもらったのですが、まあ、この人はいわゆる「近所の世話好きなおばさん」の典型のような人なので、思春期にある私の諸々のことのことも聞いて下さいまして、ニキビ面がいかに思春期の少年において痛恨極まることであるかもご承知いただいておりまして、何せ同じ年頃のお子さんを御持ちの方ですから、私の話をそのまま自分の息子さんと照らし合わせて、 「あなたは繊細ね〜、うちの下の息子に似てるわ〜。上の息子は全然だけれど。あはは。」 なんて、いろいろお互いの情報を交換するようになり、また一番上の子供が女であるということから、おふくろとも親しくなり家族ぐるみで付きあうようになりました。 この人の凄いところは、その「口コミ」の膨大な量で、「あそこの医者はどう?」とかいろいろな薬局を訪ねてくる人に聞いては情報を集め、一介の薬局のおばさんでありながら、地域の医療状況まで把握してしまっているところです。私のニキビを治すのにも、この方のお薦めの皮膚科を教えていただきました。その皮膚科というのは、この人の薦めがなければまず行かないであろう、建物の奥深くにある、物陰に行けば怪しい物を吸っているアンちゃんとかがいて、「♪ぼうや〜、よいこだ金出しな」とか言われかねないところでしたが。 この後にも、いろいろと思春期特有の悩みを聞いてくれたのも、この人でした。まあ、家族に言えないようなことを聞いてくれる人と言うのは、思春期には必要なものですが、私の場合、このおばさんでした。しかし、この人の教養レヴェルというのもかなりのもので、ふだん市井の人たちを相手に商売しているとは思えない知識量を持っていて、医療に関する知識はもちろん、家族関係の中でのいろいろな問題についても詳しく、まさに人生の達人という感じです。もちろん、ある程度口から先に出てくるような人でもありますが、私が報告する前から、「流氷は日によって流れていくもので、いつもあるものではない」ということなどとっくに知っておりました。シャンソンの「枯葉」が、イントロ部分に長いセリフ部分がある事も。何というか、基礎教養というものが、既にかなり高い水準にあるのですね。近ごろの若者特有の「自分探し」についても、簡単に看破しておりまして、私が 「まあ、就職する年代までに、いろいろな経験をしてこなかったから、二十代後半になって、それからやっと【自分探し】をしたりするんですよ」 というと、 「まあ、あなたは高校生の頃から【自分探し】をとっくに済ませていたものね〜」 などと感心してもらえたりしましたが、確かにこのおばさんの娘さんの旦那さんも、一回就職してからフリーターになって資格を取るための勉強をする、という状況で、こうした【自分探し】で一度会社を辞める人は最近の二十代後半から三十代前半にかけての世代に多いようです。おばさんからすれば、そうしたことは大学時代に済ませておくものだ、とのことです。で、なければ何で大学時代にあんなに遊び呆けていたの、と言いたいのだそうです。 とにかく、薬局ですから、診察や手術をするわけにはいかないのですが、それ以外の部分である、心のことや皮膚のことに関してはとても詳しい人で、とにかくいろいろな人の例を聞き集めては参考資料にしているらしく、そこらのドラッグストアの店員なんか、及びもつかないほどのノウハウを持っています。おかげでサプリメントなどのお世話にはならずに、ちゃんとした「医療品」が有効であることも知りましたし、サプリメントや健康食品よりも有効な普通の市販されているものが一杯ある事を知りました。 とにかく「口コミ」の威力の凄まじさは、この人と接していると分かります。人と人の間に立って仕事をしている人と言うのは、本当に「人生の達人」に成るのだなあ、としみじみ感じるものです。 ![]() ■
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by journalism-1
| 2006-02-08 22:29
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