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今年早々の日経に、中田英寿のロングインタビューが載っていた。結構中田としては異例の事で、 「団体競技に向いていないかもしれない」 という発言は、彼のキャリアからして当然通過すべき地点に来ていると思われる。彼は、18歳で日本代表にデビューして以来、後輩の面倒を見る、という機会が無い。現在の日本代表において、ほとんどの選手が彼にとっては後輩に当たるわけで、その部分で立ち止まっているとしたら、それは本人がクリアすべき課題なのである。 現在、「海外組」と称されている選手は、その現地での過ごし方が成功の成否を握っている、という場合が少なくないように感じる。行った先のクラブにその選手をバックアップしてもらえる環境がある場合は別である。 たとえば、小野伸二の場合、フェイエノールトへ移籍した時、コーチに浦和レッズで一緒だったペトロビッチがいた事が大きい。また、大黒のように行ったクラブのオーナーから会長からGMまで日本人という場合は、クラブの選手のほうから近づいて来るのが当たり前であって、「大黒が歓迎されている」のではなく、クラブの選手のほうが大黒を歓迎しておかないと自分の立場が危ないのである。そういう意味では、大黒の移籍は、かなり不快感の伴うものであった。 平山相太の場合、小野ほどではないにしろ、監督が以前Jリーグでプレーした経験のある、ペーター・ボス(ジェフ千葉)で、日本人に対する偏見が無い事が大きい。 このように、日本人の海外移籍というのは、現地や行った先のクラブとの関係が無視できない。その面で観た時に、中田英寿の場合、少し気になる点が有るのである。 現在日本人プレーヤーの中で、海外で活躍が取り上げられるのは、中村俊輔と松井大輔である。 中村の場合、セルティックに移籍する前のレッジーナでの過ごし方で、少し面白い点があった。中村は、語学はあまり得意でないらしい。イタリア語も満足に話せないところがあった。しかし、なぜか街の人に親しまれていた。チームの中での地位も築いていた。中村は、とにかくやたらと練習するらしい。チームの練習が終わっても黙々と居残り練習をする。そうした練習姿勢が、チーム練習においてチームメートの信頼を得るのに役立つようになる。チーム練習やゲームいおいて中村がだんだんと成功していったのは、「10番」としてチームメートの信頼を得るように普段からの練習姿勢を持っていた事が大きい。サッカーに対する姿勢がチームメートから信頼を得るにおいて、イタリア語を話せるかというかという問題以前にフットボーラーとして分かりあえるかという点で、中村の場合信頼を得るに値したのである。また、サッカー以外においては飾り気のない人柄が、レッジョ・カラブリアという田舎町では、「珍しい日本人」として親しまれたように思う。 松井の場合、もともとの性格でもある社交性がうまく発揮された。松井は日本人であるが、フランスリーグの中では「日本人」としてより「非ヨーロッパ人」として認識される。松井はル・マンのチームメートの中からブラジル人や東欧の選手など「非ヨーロッパ人」とまず友好を深める事から始め、チームにおいても彼らをうまくコミュニケーションをとっていた。同じ「助っ人外国人」同士でチームに溶け込んでいくようになり、自然とチームに馴染んでいったし、オフの日になると彼らと一緒に遊びにいったりしてピッチの外でもチームメートと仲良くやっていた。そうしているうちにル・マンの他のチームメートともうまくやっていく事が出来、またプレー面でのアピールもあってル・マンに欠かせない存在になった。 そうした面で見た時、中田英寿には気になる点が多い。既にスタープレーヤーとしての地位を築いているために、周りはまずそうした目で見ている、という事がある。中田は語学が堪能だから言葉の面で苦労はしていないが、チームに入っていくにおいて、このスタープレーヤーという部分がまずチームメートとの間に「溝」として存在する事を分かっていない。チームメートから敬意は払われるが決して親しみやすい存在ではないのである。おまけに「非ヨーロッパ人」であるのに同じ境遇にある選手達とピッチの外において、つまりオフの時間において交流を持つ、という事をしている様子がない。また、練習における姿勢でチームメートや監督にアピールするという事も伝わってこない。もちろん、プロ選手だから、試合で結果を出す事が全てなのだが、プレーで周囲を納得させるのにも、その前にチームメートから信望を集めていなければボールも回ってこない。だから自分の思った通りにプレーも出来ないのだ。その点で中田にはコミュニケーションの問題があるように感じる。語学が堪能でもサッカー選手同士では「どれだけサッカーに熱心か」というのが信頼を集めるバロメーターになる。その点で服装に気を遣ったり、寄ってくるマスコミにだけ対応をしている状態ではチームメートから見て「鼻持ちならない」と思われても仕方がないだろう。 さて、もう一方のナカタ、中田浩二であるが、バーゼルへの移籍が決まった。スイスリーグといってもなじみが薄いがポルトガルリーグやベルギーリーグとそれほど差が無いといっていいと思う。その上バーゼルといえばしばしばヨーロッパチャンピオンズリーグに出てくる強豪チームで、現在リーグ首位。このチーム、今回の移籍の報道で初めて知ったのだが、大口スポンサーが薬品メーカーの「ロシュ」なのだそうだ。ロシュといえば、バイエル薬品と並ぶくらい製薬メーカーとしては世界的に有名な会社で、非常に大きな企業である。バーゼルの強さ、資金力の源泉がこれではっきりした。このチームにうまく溶け込む事が出来れば、これは中田浩二の人間性によるが、大きな活躍も期待できるし彼のプレーが伸びる事も期待できる。それ以前にイスラエルやウクライナのチームから声がかかっていた事から考えれば、夢のような展開であり、中田浩二にはツキも味方しているようである。 海外に出る選手は、とかくプレーで周りを納得させればいいように思われがちだが、以外に普段の練習態度やオフの過ごし方がその成功の鍵を握っているという事も事実なのである。
by journalism-1
| 2006-02-09 20:55
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