カテゴリ
以前の記事
2007年 08月 2007年 07月 2007年 06月 2007年 05月 2007年 04月 2007年 03月 2006年 06月 2006年 05月 2006年 04月 2006年 03月 2006年 02月 2006年 01月 2005年 12月 2005年 11月 2005年 10月 2005年 09月 2005年 08月 2005年 07月 2005年 06月 2005年 05月 2005年 04月 2005年 03月 2005年 02月 2005年 01月 2004年 12月 お気に入りブログ
ライフログ
検索
最新のトラックバック
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
ファン・ジャンヨブ氏は、キム・ジョンイルがもっとも警戒している人間です。もともと、ファン・ジャンヨブ氏が知られているのは、主体(チュチェ)思想の考案者であるからです。 チュチェ思想というのは、北朝鮮の理論的な国家の成り立ちの裏付けになっている、いわばイデオロギー的な思想です。朝鮮半島が、南北に分裂したあと、金日成が主導権を握る形で、北朝鮮は社会主義を標榜して、独立国家となりました。経済面では、社会主義でありながら、国家の方向性を示すものとして、また国民に広く行き渡らせる思想として、チュチェ思想が編み出されたのです。 ファン・ジャンヨブ氏は、金日成時代に、すでにナンバー2の地位にいました。理論的指導者として、金日成にはなくてはならないブレーンとなっていたのです。キム・ジョンイル体制になっても、彼のナンバー2という地位は動きませんでした。なぜなら、北朝鮮における功績が、あまりにも大きいからです。北朝鮮の国民が、理論的に納得して体制に従わせるために、ファン・ジャンヨブ氏の思想が使われたのです。 ところが、ファン・ジャンヨブ氏の思いとは別に、キム・ジョンイルは独裁者としての、暴君ぶりを発揮し始め、チュチェ思想が台無しにされている、と感じたファン・ジャンヨブ氏は、自分がナンバー2という、極めて独裁者から見て排除したい立場にいる事をわかっていたので、韓国に亡命したのです。 ファン・ジャンヨブ氏は、その目で北朝鮮の実態を見ているわけですから、キム・ジョンイルについて知り尽くしていますし(金日成のブレーンであった彼は、キム・ジョンイルを幼い頃から見てきています)、その独裁政権を倒すべきだと考えています。ファン・ジャンヨブ氏は、民主的な社会主義を目指していた人なので、今の北朝鮮を許し難い状況だと感じているはずです。 そのファン・ジャンヨブ氏ですが、今は韓国にいます。ファン・ジャンヨブ氏の目標は、キム・ジョンイルを倒す事。彼の思想からして、末端の人々が、餓死している状況は、自分がかつて政権内で重要なポストを占めていただけに、とても辛いものがあると思います。ファン・ジャンヨブ氏はおそらく、「統一」よりも、とにかく貧しい人を救いたいという一心でいる事と思います。そのため、キム・ジョンイル政権の打倒を目指して、活動したいのです。 しかし、これが韓国政府にとって、都合の悪い事なのです。「太陽政策」を掲げる韓国政府は、一気に北朝鮮が崩壊すると、経済的に足を引っ張られる事になるため、北朝鮮が経済的にある程度豊かになってから、半島の統一を目指しているのです。そのために、北朝鮮に工場を作ったり、何かしらの経済援助をしています。つまり、韓国政府は、キム・ジョンイル政権が、すぐに崩壊する事を望んでいません。そのため、ファン・ジャンヨブ氏の活動を制限しています。 ファン・ジャンヨブ氏は日本のマスコミに対して(彼は日本語がかなり話せます)、「日本へ行きたい、日本へ行きたい」と繰り返していました。つまり、韓国では自分の活動が出来ない状況があるのだと思います。韓国では、キム・ジョンイル政権を打倒する運動が出来ないのです。 日本に来て、彼が一番したい事というのは、朝鮮総連への働きかけでしょう。朝鮮総連の人たちというのは、終戦を日本で迎えたあと、朝鮮戦争が起こり、北側の政権を支持する事を選んだ人たちです。その頃は、北側のイデオロギーの方が正しいと信じていたのでしょう。彼らは、実際はほとんどの人の祖先の土地は、今の韓国にあります。つまり、北朝鮮国籍を選んだのは、土地ではなく、国家体制の是非で選んだのです。そんな彼らは、チュチェ思想をよりどころにしています。そこで、チュチェ思想を考案した本人である、ファン・ジャンヨブ氏が、朝鮮総連に来て、在日の人たちに、今の北朝鮮ではチュチェ思想が崩壊している事を伝えて、キム・ジョンイル体制がチュチェ思想とはかけ離れた政治を行っている事を説き、在日の人に、キム・ジョンイル体制の打倒を呼びかけたいと思っていると思います。 実際、朝鮮総連に人たちにとっては、自分たちのリーダーとして考えているのは、あくまで金日成であり、キム・ジョンイルは、その息子というだけです。金日成の右腕であった、ファン・ジャンヨブ氏が、キム・ジョンイルは、後継者として失格である、と説いたら、朝鮮総連の人たちの考え方が、一変すると思います。理論的リーダーである、ファン・ジャンヨブ氏は、とても思想的にしっかりしたものを持っており、朝鮮総連の人たちも、彼の言葉を聞けば、考えが変わると思います。そうなれば、北朝鮮への送金や、密貿易などをやめるようになるでしょう。 日本政府が「経済制裁」を唱えると、どうせ朝鮮中央放送が、「日本は我が国の敵であり、打倒しなければならない」といった事をしゃべるでしょう。そうして、6カ国協議からの排除や、核兵器の正当化の口実を与える事になります(もちろん国際世論が認めるわけもありませんが)。しかし、ファン・ジャンヨブ氏が、朝鮮総連に働き掛けて、在日と北朝鮮のパイプを断ち切れば、日本政府は何もしないでも、北朝鮮には強烈な経済制裁になるはずです。 さらに、ファン・ジャンヨブ氏に期待するならば、現在地方の兵士にも、経済的な困窮が押し寄せていますから(兵士である彼らにも配給が滞っているらしい)、朝鮮総連の人たちを使って、地方軍の武装蜂起を狙えると思います。ファン・ジャンヨブ氏の影響力を持ってすれば、クーデターすら起こす事が可能だと思います。それゆえ、韓国はファン・ジャンヨブ氏が日本へ行こうとするのを止めているのです。日本政府は、ファン・ジャンヨブ氏をあらゆる手を使って、招聘すべきです。あの暴虐政権を倒すのに、対外的な武力を使わずに済む、一番の方法が、彼の日本招聘だと思うのです。
by journalism-1
| 2005-02-16 02:07
| 政治とは?
|
ファン申請 |
||